はてなブックマーク2 第2回SBM研究会ログ

 
はてなブックマーク2  はてな伊藤さん

11月25日にリニューアルしたのでそれについて


・統計で見る現状
3,000,000 UU/月
Google Analyticsのセッション数

206,000ユーザ

約1,000万エントリ
約3,000万ブックマーク

ユーザ推移
1日平均300人弱くらい増えている
ブックマーク数比較

シェア
国内の主要サイトの数字
はてブ、Yahoo!、choix、FC2、livedoor、buzzurl、delicious
のブクマ数を比較
75%くらいのシェア

ITはそこまでシェアが高くない

海外のサイトはdeliciousやdiggのほうが圧倒的に多い

男性62%女性38%
年齢別20代?30代が主要なユーザ
(netratings調べ)

男性は満遍なく年齢が分布しているのに対して
女性は20代、30代に偏っている

カテゴリ別のPVを見ると、ITが一番多いものの、
あまり偏りがなく分布



・リニューアル直後の数字

300人/日平均程度だったが、600人程度に増えた

リニューアルの1週間前からUUが下がっていたが、
リニューアル後順調に上がって、315万程度になった。

お気に入り数
ベータリリース直後からお気に入りが増えた

収益がだいぶあがってきている
特定の広告の収益が3倍に

目標は半年で規模を2倍にすること



・リニューアルの動機と裏側
登録ユーザ数20万→30万
UU300万→600万
UU600万は国内の主要新聞社と同じくらいの規模

コードがレガシーすぎたので修正。機能も追加

既存のユーザの使い勝手を第一に新しさを加える

・スケジュール
2?4月 1人
4?6月 2人 +デザイナー
6?8月 3人 +PG
9?11月 6日 +3PG

初期:基本的なコードベースを作る、根底にあるコアの設計を練らないといけない。その部分は多人数でやるよりも1人でやったほうがよい。設計のコードがきれいになる

中期:プロトタイプを作れるようになる。新しい機能の整理、方針固め


後期:実装、ユーザーテスト


・成果
システムの刷新は成功
検索、テキスト分類、お気に入り機能
チーム体制→10倍の体力
ベータ版以降実装したアイデア→120件以上
他の不具合などの修正も含めると300タスク程度を1ヶ月で終わらせた


・はてなブックマークの3軸
機能 ソーシャルブックマークの基本 お気に入りの機能など

メディア 新しい発見、ニュースや友達のブックマークしたサイト

コミュニティ


・なぜお気に入りを強化?
衆愚問題
 ワイドショー化

コミュニティは分散するべき
分散したコミュニティでは自分の一番欲しいコアな情報が得られる

ソーシャル・ブックマークの本質的な機能

・「便利ですよ」では使ってもらえない
お気に入りがある程度増えないと面白くない
 低い利用率・・・全体の1割程度

お気に入りを増やしたくなるインセンティブが必要
 「便利だから」では増やさない
 自然と増やしたくなるような施策が必要
 導線つくり、簡単に追加できるようにする

・結果
利用率が向上
はてなブックマーク内にグラフができる
外部のグラフを取り込む
Twitter,Mixi,Facebook
 サービス開始時点で外部の情報を追加することで、いきなりグラフができるように

グループ分け
 プログラマと大学の友人

お気に入り関係を使って機能強化
 コメントのフィルタリング
 スパム対策


・検索、テキスト分類、関連エントリ
従来のはてなブックマークの欠点
 最新の情報ばかりにフォーカス
 ブックマークが少しずつ増えているけれどもホッテントリに入らなかったもの

過去のデータに光を当てる
 ソーシャルブックマークを検索で活用。お気に入りのユーザがたくさんブックマークしているサイトが見られるようになっている


PFI
インデクサ、サーチャー、分散FS

はてな
インターフェース、ジョブキュー、本文抽出、クローラ

アルゴリズムは協同開発、はてブRank

・検索のスコアリング

古典的なアルゴリズムとはてなブックマーク独自のメタデータ
 ブックマーク数、日付など
 多数のヒューリティクス
 人気エントリにあがったものが探しやすい

・精度の向上
誰が何を検索したのかをログを取って補正
クエリログからのフィードバック

ブックマークからウェブへ一歩近づける、リンク解析→ブックマークへフィードバック

・テキスト分類エンジン BDog

・なぜ分類エンジンを開発?
元々のカテゴリ精度が低かった

コンピュータに偏らないようにする

これまでの利用傾向から8種類のカテゴリを作成
人気エントリーを使うため、ある程度ボリュームが
あるカテゴリを作る必要がある

カテゴリの細分化
 デザイン、料理、恋愛、お役立ち・・・

トピックスページ
 コンピュータやITを見る人はリテラシが高いので目立たないところにおいても見てもらえる

・関連
タグの類似度で行っている
タグの意味は考慮しない

誰が何をブックマークしたか 精度:中
キーワードの類似度 精度:低
タグの類似度 精度:高

・なぜ内容に踏み込むのか?
ブックマーク数だけの評価の限界
技術的に参入障壁の高いビジネスにならない
ないように踏み込まないと次のステップに出せない


・今後の予定
次の上半期

・コミュニティ
お気に入りによるつながりを強化
非表示機能によるフィルタリング
コミュニティの分散
はてなブックマーク市民


・フィルタリングに関する方針

表現の自由は原則維持
 見たくないものは見なくて済む
 見たければすべて見られる
 強制消去、特定の表現の入力制限は実装しない
 削除ガイドラインに則った運営

蛸壺かに対する懸念
 「分散せずに全開」がもっとも蛸壺化すると考える
 古参問題


・上半期の具体的な施策
デザイン機能の強化
モバイル版リニューアル
など

・予想されうる問題への基本姿勢

問題が顕在化し始めたところで対応する
 コミュニティ運営のコツ はじめからすべての問題を想定してもその通りにならない。効果的な対応策を練ることができない
 例:スパム スパマーは同じようなタグをつける傾向にあったので、それに対応


今後起こりうる問題
 より手の込んだスパム
 ワイドショー化
 蛸壺化
 ベテランと新規のユーザの衝突


・まとめ
規模2倍

リニューアル成功 開発体制の強化と検索と機械学習のようなアプローチでできないことができるようになった

課題はコミュニティとメディア




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このページは、ソーシャルメディアマーケティング.jpが2008年12月 6日 15:03に書いたブログ記事です。

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