グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略
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シャーリーン・リー ジョシュ・バーノフ
翔泳社
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グランズウェルとは、人々がテクノロジーを使って、自分が必要としているものを企業などの伝統的組織からではなく、お互いから調達するようになる動きを指しているそうです。これは一過性のものではなく不可逆な変化であるため、乗り遅れないように参加してみてはどうかというような内容でした。
グランズウェルを活用するときのPOSTプロセスという形で、
計画を立てるときの考え方が説明されていたので紹介します。
People(人間)
自社のサービス、商品の顧客がどのようなテクノロジーを使う傾向にあるのかを調べつつ、
顧客が参加する可能性のある活動をできるだけ正確に推測する必要がある。
自社のターゲットとしている世代、性別などでセグメントされた顧客層は、どんなテクノロジーにどのように関わっているのかを調査することで、より精度の高い計画を作ることができる。
「ソーシャル・テクノグラフィックスのはしご」というグランズウェルへの参加度をあらわす考え方が紹介されています。創造者、批評者、収集者、加入者、観察者、不参加者という6つに分類されていて、創造者がもっとも積極的に参加しているユーザーです。
Objective(目的)
ゴールを設定する。
・耳を傾ける
顧客理解を深めるためにグランズウェルを使う。顧客のインサイトをマーケティングや製品開発に活かす
・話をする
自社のメッセージを広めてもらうためにグランズウェルを使う。双方向的なコミュニケーションで広がりを作る
・活気付ける
熱心な顧客の影響力を最大化するためにグランズウェルを使う。熱心なファンがいるブランドに向いている
・支援する
ツールを用意して顧客が助け合えるようにする。カスタマーサポートのコストを下げる
・統合する
顧客をビジネスプロセスに統合する。難易度が高い目的なので、他の4つのいずれかを達成してから選択するのが望ましい
Strategy(戦略)
自社と顧客との関係をどう変えるのか。顧客にメッセージを広めてもらうのか、それとも顧客との距離を縮めたいのか。
社内調整をどうするのかも考える。
戦略を立案するときの注意点
・小さく始める(ただし拡大余地は残す)
・グランズウェル戦略がもたらす影響を考え抜く
・高い地位にいる人物を責任者に据える
・テクノロジーとパートナーの選択は慎重に
Technology(テクノロジー)
人間、目的、戦略の3つを定義した後にどのようなアプリケーションを構築すべきかを検討する。
POSTの順番のとおり、テクノロジーは人間、目的、戦略を決定したあとに選択する付随的なものであり、顧客や従業員とどのような関係を作るかということに焦点がおかれています。関係を構築するためにどのようにテクノロジーを活用すべきかが多数の事例、データと共に解説されています。
アイデアのもとになりそうな本でした。ソーシャルメディアを活用してのプロモーションに携わっている人にオススメです。
まだソーシャルテクノロジーにあまり興味を持っていない人でも、マーケティングや経営戦略について考えている人は読んでおくと選択肢が増えると思うのでぜひ。