結論

広告は、出している間ずっと費用がかかりますよね。なので、反応が無ければ広告主は止めてしまいます。逆に言えば、1か月出し続けている広告は、止める理由がなかった広告なんです。

そこでこの記事では、30日を超えて出し続けられた広告の割合を「効果が出ている割合」として使います。割合が高い形式ほど、その媒体で成果につながっている、という読み方です。

媒体ごとに数えてみると、こうなりました。

媒体効果がいい形式30日超
YouTube動画57%
TikTok動画40%(静止画13%)
Instagram動画39%(静止画16%)
Yahoo静止画36%(動画29%)
Facebook動画31%(静止画24%)
X静止画27%(動画20%)
SmartNewsどちらも短命13〜14%
LINEどちらも短命7〜11%
Googleどちらも短命6〜9%

動画の長さは、どの媒体でも10〜15秒がいちばん効いています。31秒を超えると落ちてしまい、Xでは31〜60秒で7%まで下がります。

数え方

自社で集めた広告1,025,727件について、その広告が何日出続けていたかを数えてみました。投稿された日から、最後に見つかった日までの日数です。

ただ、1つだけ補正を入れています。広告の収集は2026年8月21日で止まっているので、8月に出たばかりの広告は「まだ止まっていない」だけなのに、日数が短く出てしまいます。そこで、6月21日より前に出た広告だけを対象にしました。どれも「1か月以上出続ける機会があった」広告です。

見ているのは平均ではなく、30日を超えた広告が何割いるかです。多くの広告は数日で消えるので、平均を取ると差が埋もれてしまいます。「1か月を超えられた広告がどれだけあるか」で見るほうが、形式の違いがはっきり出るからです。

媒体ごとに、効果が出ている形式

「中央値」は、その媒体の広告を出続けた日数の順に並べたときの、真ん中の1本のことです。半分の広告は、これより短く消えています。

媒体種類件数中央値30日超
YouTube動画54,16641日57%
TikTok動画53,62922日40%
TikTok静止画20,8803日13%
Instagram動画60,51421日39%
Instagram静止画13,9877日16%
Yahoo静止画18,78412日36%
Yahoo動画15,9288日29%
Facebook動画65,45314日31%
Facebook静止画43,75211日24%
X静止画48,91910日27%
X動画37,7876日20%
SmartNews動画8,0942日14%
SmartNews静止画33,7042日13%
LINE静止画42,8312日11%
LINE動画36,6291日7%
Google動画2,9950日9%
Google静止画37,6870日6%

30日を超えて出し続けられた割合(300件以上)

媒体は3つに分かれる

効果が出る形式は、媒体によって入れ替わります

媒体は、動画が効くところ・静止画が効くところ・どちらも続かないところの3つに分かれます。順番に見ていきます。

動画が効く媒体(YouTube・TikTok・Instagram・Facebook)

TikTokとInstagramでは、動画が静止画の3倍前後残ります(40%対13%、39%対16%)。YouTubeは動画しか出せませんが、30日超が57%と全媒体でいちばん高く、1本作れば長く使える媒体なんです。

なので、この4媒体は動画に時間をかける価値があります。半分の広告が20日以上出続けているので、1本作れば1か月近く使えますよ。

Facebookだけは差が小さく(31%対24%)、静止画でも十分いけます。手元に動画が無いなら、ここは静止画から始めてみてください。

静止画が効く媒体(X・Yahoo)

XとYahooでは、これが逆転します。 Xは静止画27%に対して動画20%、Yahooは静止画36%に対して動画29%。どちらも静止画のほうが長く残りました。

とくにYahooの静止画は30日超が36%と、Facebookの動画(31%)を上回っています。ディスプレイに静止画は、いちばん効いている組み合わせでした。

どちらも続かない媒体(LINE・SmartNews・Google)

この3媒体は、動画にしても静止画にしても長く続きません。Googleは半分の広告が投稿された当日のうちに消えます。LINEは1〜2日、SmartNewsは2日です。

どちらの形式でも数日で止まってしまうので、この3媒体は形式を選ぶより、差し替えの回数で成果を取りにいく媒体と考えるのが合っています。1本を長く使うつもりで作り込むと、かけた時間が回収できなくなってしまいます。

続かない媒体に、何を入れるか

LINE・SmartNews・Googleは、半分の広告が0〜2日で消えていました。ここで長く使える素材を作ろうとしても、媒体のほうが短い周期で回っているんです。

なので、作り込みを薄くして、本数と差し替えに寄せるのが向いています。 たとえば、背景と文字の型を1つ決めて、訴求だけ差し替える形です。1本に3時間かけて1本出すより、30分で6本出すほうが合っています。

素材の使い回し先として考えるのも手です。動画が効く媒体(YouTube・TikTok・Instagram)で作った素材から静止画を切り出して、こちらへ流す。ここでは新しく作らない、と決めておくだけでも制作の負担がぐっと減ります。

差し替えの間隔は、その媒体で広告が消えるまでの日数に合わせるのがおすすめです。半分が2日で消える媒体に月1回の差し替えでは、ほとんどの期間が「古い素材」のままになってしまいます。

静止画が効く媒体で、動画を出す意味はあるか

XとYahooでは静止画のほうが長く残りましたが、動画がだめという話ではありません。Yahooの動画は30日超29%で、Facebookの静止画(24%)より上です。

考え方としては、どちらも作れるなら静止画を厚くする。動画しか手元にないなら、そのまま出して大丈夫です。 ただ、長さは15秒までに切っておくのが安全です。Xは31〜60秒で30日超が7%まで落ちるので、ここだけは長さがとても大きく効いてきます。

もし動画を1本作って全媒体に配るなら、XとYahooには短く切った版を入れるのが現実的です。同じ素材でも、媒体ごとに長さを変えるだけで結果が変わってきます。

動画は何秒で作るか

10〜15秒が上位。31秒を超えると落ちます

長さ別に、30日を超えて出し続けられた割合を出してみました。

長さ本数中央値30日超
〜9秒28,84615日33%
10〜15秒69,16418日37%
16〜30秒86,27317日38%
31〜60秒145,3398日26%
61〜120秒20,66813日33%
121秒〜12,7586日24%

動画の長さ別(全媒体)

10〜30秒が山で、31秒を超えると落ちます。 9秒以下も少し下がるので、短ければいいというわけでもありません。

ただ、長さは媒体の性質とも絡むので、媒体ごとにも確かめてみました。

長さYouTubeTikTokInstagramX
〜9秒71%45%37%35%
10〜15秒74%47%39%37%
16〜30秒70%40%42%24%
31〜60秒47%30%37%7%
61秒〜47%20%37%17%

30日を超えて出し続けられた割合(媒体別・500本以上)

どの媒体でも、10〜15秒がいちばん効いています。 Xは31〜60秒で7%まで落ち、TikTokは61秒以上で20%まで下がります。Instagramだけは37〜42%でほぼ平らで、長さの影響が小さい媒体でした。

多く作られている長さと、効果が出ている長さは違う

TikTokに出ている動画の長さは、中央値45秒です。ところが効果が出ているのは10〜15秒で、30日超が47%。45秒が入る31〜60秒帯は、30%まで落ちてしまいます。

つまり、多く作られている長さと、効果が出ている長さが一致していないということです。その媒体でよく見る長さに合わせて作ると、成果の出ていない側に寄ってしまいます。

YouTubeも同じです。出ている動画の中央値は33秒ですが、10〜15秒は74%が30日を超えるのに対し、31〜60秒は47%です。

媒体ごとに、何をどう作るか

  1. YouTube・TikTok・Instagram — 動画を厚く。15秒を基準に作り、Instagramだけは30秒でも落ちないので使い回せる
  2. Facebook — 動画がやや有利だが差は小さい。手元の素材から始めてよい
  3. X・Yahoo — 静止画を厚く。動画を作るなら15秒まで(Xは31秒超で7%)
  4. LINE・SmartNews・Google — 形より回転。作り込みは薄く、差し替えの頻度を上げる
  5. どの媒体でも、61秒以上は理由があるときだけ

素材の中身のほうは、同じ基盤で広告文を数えた長く出ている広告文の共通点と、リンク先を数えた長く出ているLPの共通点。

1本の素材を、媒体ごとに出し分ける

媒体ごとに撮り直すのは大変ですよね。なので、1回の撮影から切り出す前提で作るのがおすすめです。

撮るのは縦(9:16)で長めに。 縦を横に直すと両端が空くだけですが、横を縦に直すと主題が切れてしまいます。後から狭くはできても、広くはできません。

編集は3本。 15秒(どの媒体でも基本)、30秒(YouTube・Instagram向け)、静止画の切り出しではない専用カット。動画の1コマは静止画として見ると情報が足りないことが多いので、撮影の場で静止画用を別に押さえておくほうが早いです。

文字は中央に寄せる。 縦横を切り替えると端が落ちるので、ロゴや価格を端に置くと、媒体によっては欠けてしまいます。

XとYahooには、静止画と15秒版を用意する。 この2媒体は静止画のほうが効き、動画は31秒を超えると急に落ちます。同じ素材でも、長さを切るだけで結果が変わりますよ。

確認項目

素材を作る前に
  • 出す媒体が、動画が効くか・静止画が効くか・どちらも続かないか分かっているか
  • LINE・SmartNews・Googleに、作り込んだ素材を入れていないか
  • 動画は15秒版を持っているか
  • 61秒以上の素材を、理由なく作っていないか
  • XとYahooに、静止画を用意しているか
  • 媒体でよく見る長さに合わせて作っていないか(多い長さと効く長さは別)

次にやること

今日やることは1つだけです。いま出している媒体を書き出して、上の3分類のどれかに印を付けてみてください。

印が「どちらも続かない媒体」だけなら、素材の作り込みを減らして本数に回すほうが合っています。 「動画が効く媒体」があるなら、15秒の動画を1本作るところから始めましょう。