結論
オンライン診療のMeta広告は、出し方を工夫すれば審査に通せます。
審査落ちしやすい広告には、次の3つのどれかが入っていることが多いです。
- 薬の名前(マンジャロ、プロペシア、バイアグラなど)
- 効果の約束(「10人中9人が実感」「1か月で-5kg」)
- 体や悩みの決めつけ(「お腹の肉が気になりませんか?」)
私たちが支援したオンライン医療ダイエットでも、効果を打ち出した広告は審査落ちしました。そこで、院長ご本人が医学的な根拠から話す動画を作ったところ、審査に通り、広告の成果も大きく改善しました。
静止画がダメなわけではありません。審査に通るかどうかは、画像か動画かではなく、広告に何を書いたかで決まります。
もう1つは、広告を一度に全部出さず、順番に出すことです。通りやすい広告から出していけば、審査落ちが重なるのを防げます。
Metaの広告審査で見られること
Metaの審査は、広告を出すと自動で始まり、ふつうは24時間以内に終わります。確認は、おもに機械で行われます。
見られるのは、広告の文字だけではありません。
- 画像と動画
- 広告の文章
- 誰に出すかの設定
- 広告をタップした先のページ(LP)
配信が始まったあとも、審査は続きます。 一度通った広告が、あとから審査落ちすることもあります。
オンライン診療で特に気をつけるのは、次の3つの決まりです。
| 決まり | 審査落ちしやすい例 |
|---|---|
| 処方薬 | 薬の名前を出す・薬そのものを宣伝する |
| 健康・ダイエット | お腹をつまむなど体の一部をアップにした画像 |
| 個人の特性 | 「〇〇でお悩みですか?」と決めつける |
出典:Meta広告規定(処方薬・健康とウェルネス・個人の特性)。2026年10月9日確認
日本向けには、処方薬そのものの広告は出せません。Metaが処方薬の広告を認めているのは、米国・カナダ・ニュージーランドだけです。一方で、オンライン診療というサービスの案内なら出せます。
健康・ダイエット・美容の広告は、18歳以上だけに出す設定も必要です。
審査落ちした広告と、通った広告
実際に支援したオンライン医療ダイエットの広告から、審査落ちした1枚と、通った1枚を見比べます。
審査落ちした広告
こういう広告は、よく見かけます。
Metaからは、審査落ちしたことは知らされますが、画像のどこがダメだったかまでは分かりません。 この広告も、どこが原因で落ちたのかは分かっていません。
そのうえで、日本の医療広告のルールに照らすと、書いてはいけない表現が2か所あります。
- 「10人中9人が体重減少を実感」:効果を数字で約束しています。治療の効果は、広告に書けることに入っていません
- 「※効果には個人差があります」:大きく書いた約束は、小さな注記では打ち消せません。ガイドラインも、この組み合わせを誇大広告の例にしています
審査落ちの原因かは分かりませんが、ルール上は書けない表現なので、外しておくのが安全です。
審査に通った広告
こちらは、Metaの審査に通りました。審査落ちした1枚と同じく静止画です。静止画だから審査落ちするわけではありません。
ただ、日本の医療広告のルールに照らすと、気になる所が3つあります。
- 「マンジャロ」:薬の名前です。薬の商品名は広告に書けません
- 「〜より安くて」:ほかの治療と比べて、安さを打ち出しています
- 「繰り返していませんか?」:見ている人の習慣を決めつける問いかけです。Metaの「個人の特性」の決まりに触れやすい書き方です
2枚を比べると、次のことが分かります。
- 審査落ちした広告には、薬の名前が入っていませんでした
- 審査に通った広告には、薬の名前が入っていました
つまり、Metaの審査に通っても、ルールを守れているとは限りません。 だから広告を作るときは、「Metaの審査に通るか」ではなく、「医療広告のルールで書いてよい言葉か」で決めます。
表現の言い換え例
審査落ちしやすい表現は、言い換えれば使えるものが多くあります。メニューごとに、よくある表現と言い換えの例を並べます。
| 審査落ちしやすい表現 | 言い換えた表現 |
|---|---|
| マンジャロで痩せる | 医師が診察する医療ダイエット |
| 10人中9人が実感 | 医師が体質と生活を聞いて治療を決めます |
| 薄毛でお悩みですか? | AGAのオンライン診療を行っています |
| 必ず生える | 治療の流れと費用を医師が説明します |
| バイアグラ処方 | EDのオンライン診療(自由診療) |
| 問診だけですぐ届く | 飲んでいる薬を医師が確認してから処方します |
| 初回50%OFF | 費用は公式サイトに掲載しています |
Meta広告規定と医療広告等ガイドラインをもとにした言い換えの例
言い換えた表現は、地味に見えます。それで構いません。広告の役目は、LPを見てもらうことです。 治療の中身や費用、リスクは、LPと動画で伝えます。
GLP-1を痩せる目的で使うのは、国内で承認されていない使い方です。厚生労働省も2026年6月に、この使い方の広告について通知を出しています。LPでは、治療の内容・費用・リスクといった通常の説明に加えて、次の5つを書きます。
- 国内で、その目的では承認されていないこと
- 薬をどこから仕入れているか
- 同じ成分で、国内で承認された薬があるか
- 海外での承認や安全性の情報
- 副作用が出たとき、国の救済制度の対象にならないこと
院長が話す動画で、審査に通った事例
先ほどの2枚は、私たちが支援したオンライン医療ダイエットの広告です。
最初は、「痩せる」という効果を画像で大きく打ち出した広告とLPを作りました。そのうち一部は審査落ちし、審査に通った広告でも期待していた成果は出ませんでした。
効果と価格は、もともと書けることが限られているうえに、どの院も同じことを言っています。広告の設定をいくら直しても、選ばれる理由になりません。
そこで、院長の診療や活動に同行して、医療への考え方やこれまでの歩みをうかがいました。そのうえで、院長ご本人が医学的な根拠から治療の考え方を話す縦型の動画を作り、広告に使いました。LPも、院長の考え方が伝わる形に組み直しました。
動画とLPには、薬の名前・効果の約束・値引きを入れていません。
この動画の広告は、Metaの審査に通りました。広告の成果も大きく改善しました(医療機関の事例のため、数値は非公開です)。
動画にしたのは、院長の言葉を多くそのまま伝えられるからです。院長の言葉や医院の考え方は、静止画にも載せられます。静止画と動画を組み合わせて出しても構いません。
事例の詳しい流れは支援事例「サクラクリニック」。
審査落ちが続いたときの対処
Metaの広告規定では、審査落ちが重なると、広告アカウントが制限される場合があるとされています。何回で制限されるかは公開されていません。
私たちは、審査落ちが続いたときは次のようにしています。
- 審査落ちした広告を、直さずにそのまま出し直さない
- そのアカウントでは、いったん新しい広告を出すのを止めて、時間を置く
- 再開するときは、ほかのアカウントで審査に通り、配信できている広告から出す
配信の実績がたまったアカウントは、審査に通りやすくなる印象があります。ただし、これは私たちの経験からの見立てで、Metaが公表している基準ではありません。同じ広告が、あるアカウントでは審査落ちし、別のアカウントでは通ることもあります。
誤って制限されたと思うときは、Metaの「アカウントのクオリティ」の画面から、もう一度審査するよう申し立てられます。
広告は一度に全部出さず、順番に出す
広告は、一度に全部出さず、通りやすいものから順番に出します。
- 審査に通りやすい広告から出す:院長が話す動画や、診療の案内を載せた静止画など、薬の名前も効果の約束も入らない広告を1〜2本
- 配信が安定してから足す:審査に通って配信が続いているのを見てから、ほかの広告を1本ずつ足す
- 審査落ちしたら直してから出す:ルール上書けない表現を外してから出し直す。審査落ちが続くときは、いったん出すのをやめて時間を置く
出す前の確認
広告を出す前に、次の8つを見てみてください。よくある審査落ちは、ここで避けられます。
- 広告とLPに、薬の商品名も成分名も入っていない
- 「必ず」「誰でも」「すぐ届く」と言い切っていない
- 痩せた量・生えた量などの効果を約束していない
- 「〇〇でお悩みですか?」と決めつけていない
- お腹や頭など、体の一部をアップにした画像を使っていない
- 「初回〇%OFF」「期間限定」で誘っていない
- 健康・ダイエット・美容の広告は、18歳以上だけに出している
- LPに、自由診療であること・費用・主なリスク・「医師の判断により処方できない場合があります」がある
当てはまる所があっても、多くは直せます。薬の名前や効果の約束は、言い換え例の表の形に書き換えれば、そのまま広告に使えます。





