結論
項目数に正解の数はありません。用途が決まれば、だいたいの数も決まります。
広告のリンク先にあるフォームを25件、実際に開いて数えました。用途で分けると、こうなります。
- 問い合わせ(13件): 中央値 3項目
- 予約(6件): 中央値 12.5項目
- 注文・申込(6件): 中央値 28.5項目
同じ「フォーム」でも、10倍近い差があります。
だから、減らすかどうかを考える前にやることが1つあります。自分のフォームがどれなのかを決めることです。 問い合わせのつもりで12項目あるなら長すぎますし、予約なのに3項目なら、そのあとの電話が増えます。
この記事は、次の順で進みます。
- 用途を決める(問い合わせ/予約/注文のどれか)
- 相場と比べる(25件の実測値)
- 削る(1項目ずつ、外していいかを判定する)
なお、そもそもフォームを置くべきか、という手前の話もあります。店舗型のリンク先を数えたときは、連絡手段として使われていたのは電話69%・LINE56%で、フォームは31%でした(広告のリンク先の構成)。フォームより先に、押せる電話番号を置くほうが効く業種もあります。
1. 自分のフォームがどれかを決める
見分け方は、聞かないと先へ進めないものが何かで決まります。上から順に当てはめてください。
- 日時を押さえる必要がある → 予約
- 届け先か支払いを聞く必要がある → 注文・申込
- どちらも要らない。連絡が取れれば先へ進む → 問い合わせ
迷ったら、その情報を聞かないまま業務が回るかで判定します。回るなら問い合わせです。
中央値のフォームは、実際にはこうなる
数字だけだと分かりにくいので、それぞれの真ん中あたりの中身を並べます。実測した25件から典型を組み直した例です。
| 用途 | 実際に並ぶ欄 |
|---|---|
| 問い合わせ(3項目) | 氏名/メールか電話/用件(選択式) |
| 予約(12項目前後) | 氏名・フリガナ/電話/メール/第1希望日時/第2希望日時/メニュー/担当の指名/人数/初来店か/備考/同意 |
| 注文(28項目前後) | 上記に加えて、郵便番号・住所(都道府県〜建物名)/届け先の氏名と電話/支払い方法/カード情報/数量/サイズや色/領収書の要否/利用規約の同意 |
用途ごとの「ちょうど真ん中」のイメージ
並べると、予約と注文が長いのは欲張っているからではないと分かります。日時を決めないと枠は押さえられず、届け先を聞かないと物は送れません。
一方、問い合わせの3項目に生年月日や性別が入っていたら、それは用途からはみ出しています。
2. 相場と比べる
| 用途(件数) | 項目数の中央値(最少〜最多) |
|---|---|
| 問い合わせ(13件) | 3(1〜12) |
| 予約(6件) | 12.5(10〜16) |
| 注文・申込/通販(6件) | 28.5(4〜51) |
広告のリンク先のフォーム25件(2026-08-30 実測)。届け先や支払いを聞いていれば注文、日時を聞いていれば予約、それ以外を問い合わせとした
予約の6件は10〜16項目に収まっていて、ばらつきがほとんどありません。 問い合わせは1〜12と幅がありますが、真ん中は3項目です。
どうやって数えたか
数字の出どころを書きます。
- 自社で集めているMeta広告のリンク先から、日本語でフォームのあるページを1ドメイン1本に落として 52ドメイン
- 2026年8月30日に取得し、HTMLの
<form>から人が入力する欄だけを数える(送信ボタンや隠し項目は除く。ラジオとチェックは項目1つとして数える) - 1ページに複数あるときは、欄がいちばん多いフォームを主フォームとする
- 検索窓とメール登録だけの窓は数えない
52件のうち、数えられたのは25件です。残り27件は、フォームがJavaScriptで描かれてHTMLに現れないか、外部の予約サービスへ飛ばしていて、そのページには無いものでした。
取れなかったほうが多いので、比率そのものより用途ごとの差の大きさを見てください。母集団は美容・健康に寄っています(自社が集めた範囲そのものです)。
同じ数え方は競合にも当てられます。競合の広告はMeta広告ライブラリで誰でも見られるので、そのリンク先を開いて欄を数えるだけです。
何を聞いているか
25件が実際に置いていた項目を、多い順に並べます。
| 項目 | 置いていたサイト |
|---|---|
| メールアドレス | 16件(64%) |
| 氏名 | 15件(60%) |
| 電話番号 | 11件(44%) |
| 希望日時 | 10件(40%) |
| 生年月日 | 8件(32%) |
| 性別 | 6件(24%) |
| 住所 | 5件(20%) |
| フリガナ | 4件(16%) |
| 郵便番号 | 4件(16%) |
| 問い合わせ内容(自由記述) | 3件(12%) |
| きっかけ(どこで知ったか) | 3件(12%) |
25件のうち、その項目があったサイト数
目立つのは、下のほうです。自由記述の欄があるのは12%しかありません。「ご相談内容をご記入ください」は問い合わせフォームの定番のように思われていますが、実測では少数派でした。
もう1つ、「どこで知ったか」を聞いているのも12%です。広告からの流入を数えたい会社は多いのに、フォームでは聞いていません。ここは計測側で取るのが本筋で、フォームで聞くのは補助です。取れているかの確かめ方は計測タグが動いているかの確認方法。
なお、この集計では分類できなかった欄が19件のサイトに残りました。商品の選択肢や、その会社にしかない独自項目です。項目名から機械的に分けているので、そこまでは割り切れません。
3. 削る
長い場合の削り方です。感覚でやると迷うので、判定を1つに決めます。
13項目を3項目まで削る
実際に当てはめると、こうなります。エステサロンの問い合わせフォームを想定した例です。
| 欄 | 判定 |
|---|---|
| 氏名 | 残す(呼びかけられないと返信が書けない) |
| フリガナ | 外す(返信に要らない) |
| 郵便番号 | 外す(来店型なので送るものがない) |
| 住所 | 外す(同上) |
| 生年月日 | 外す(施術前の問診票で聞けばよい) |
| 性別 | 外す(同上) |
| メールアドレス | 残す(連絡先がないと返信できない) |
| 電話番号 | 外す(メールがあれば届く。急ぐ人は電話してくる) |
| 希望日時 | 外す(予約ではないので確定させない。返信で候補を出す) |
| 希望メニュー | 残す(選択式1つ。何の相談かで返信内容が変わる) |
| きっかけ | 外す(計測で取る) |
| ご相談内容 | 外す(書ける人は少ない。返信で聞く) |
| 同意チェック | 外す(送信ボタンの下に文章で置く) |
判定は「返信の1通目で聞き直せるか」だけ
残ったのは氏名・メールアドレス・希望メニューの3つです。実測の中央値と同じ数になりました。
外した10項目は消えたわけではありません。聞く場所が、フォームから返信の1通目と来店時の問診票へ移っただけです。
必須にする数は、項目数とは別に決める
用途を分けずに25件をまとめると、項目数の中央値は10項目。それに対して、必須になっていた欄は中央値で3項目でした。
つまり、置いてはあるが必須ではない欄が多いということです。
必須の付け方には、実務上の分かれ目が1つあります。
- 入力してもらえないと業務が止まるものは必須にする(連絡先がその代表)
- あると助かる程度のものは任意にする。任意なら、書ける人だけが書きます
必須を増やすと、入力を諦める人だけでなく、適当な値を入れる人が出ます。電話番号を必須にしている店に「000-0000-0000」が届くのは、これが理由です。
必須にするかどうかは、そのデータが嘘でも構わないかで決めてください。予約は、短くしても往復が後ろへ移るだけ
予約の6件が10項目を下回らなかったのには理由があります。
日時とメニューを聞かずに「まずはご連絡ください」だけにすると、確定までに電話かメールの往復が1〜2回増えます。フォームの離脱は減っても、予約が決まるまでの時間は延びます。
どちらが良いかは、返信にかけられる人手で決まります。
- その日のうちに返信できる体制があるなら、短くしてよい。あとの往復で埋められます
- 返信が翌営業日になるなら、フォームで確定まで持っていくほうが取りこぼしません
夜に問い合わせが集中する業種では、ここの判断がそのまま件数に出ます。
詰まるのは、欄の数より入力の手間
同じ3項目でも、スマホで入れやすいフォームと、途中で嫌になるフォームがあります。差が出るのは次の5つです。
- メールと電話の欄で、正しいキーボードが出るか —
type="email"/type="tel"にするだけで、切り替えずに打てます - ブラウザの自動入力が効くか — 氏名・メール・電話の欄に
autocompleteを付けると、保存済みの値が候補に出ます - 郵便番号から住所が入るか — 住所を聞く必要があるなら、ここは自動で埋めます
- 全角と半角でエラーにしていないか — 「ハイフンなしで」「半角で」と書く前に、受け取った側で直します
- 項目名をタップしても欄が選ばれるか —
<label>を欄と結び付けておくと、指で狙う面積が広がります
入力を諦める人は、項目が多いから諦めるとは限りません。3項目でも、メールアドレスの欄が日本語入力のままなら、打ち直しから始まります。
自分のスマホで、最初から最後まで入力して送信までやってみるのが早いです。1回やれば、詰まる場所はすぐ分かります。
送信したあとの画面を、1枚用意する
最後に、送信後は専用のページへ移します。
同じページの中で「送信しました」と出す作りだと、URLが変わりません。URLが変わらないと、何件届いたかを画面の数字で確かめられません。/thanks/ のようなページを1枚作って、そこへ移すだけで数えられるようになります。
そのページに置くのは3つです。いつ返事が来るか/急ぐときの連絡先/返信が届かないときの案内。
3つ目は地味ですが、自動返信が迷惑メールに入って、届いていないと思われるのはよくある詰まり方です。1行あるだけで問い合わせが減ります。
送信ありがとうございました。 内容を確認のうえ、1営業日以内にご連絡します。(日曜・祝日を除く) お急ぎの場合は、お電話でも承ります。 電話: 00-0000-0000(受付 10:00〜19:00) 自動返信メールが届かない場合は、迷惑メールフォルダをご確認ください。 それでも見当たらないときは、お手数ですがお電話ください。メールアドレスの入力違いの可能性があります。
なお、フォームは広告から来た人が最後に触る場所です。ここだけを直しても、そこへ来る人が少なければ件数は変わりません。リンク先全体の作りは長く回っているLPの共通点、ボタンの見せ方は申し込みボタンの色。
確認項目
- フォームの用途(問い合わせ/予約/注文)が1つに決まっている
- 項目数を実際に数えた
- 必須の欄が、業務が止まるものだけになっている
- 使う予定のない個人情報(生年月日・性別・住所)を聞いていない
- 送信後に届いた件数を数える手段がある
- スマホで開いて、最後まで指1本で入力できる
今日やること
自社のフォームを開いて、入力する欄の数を数えてください。送信ボタンは数えません。5分で終わります。
数が出れば、上の表と同じものが作れます。今日はそこまでで十分です。





