結論
先に、この記事の数字の読み方です。ここで数えたのは「タグが動いたかどうか」だけです。動いていても、申し込みや電話のタイミングでイベントが飛んでいるかは別の話になります。入っている=計測できている、ではありません。
その前提で広告のリンク先45本を読み込むと、Metaピクセルは76%、GA4は78%のページで動いていました。
広告を出している事業者は、おおむね計測を入れている、ということです。ただし、確認のしかたを間違えると、この数字はまったく違って見えます。
- ページのソースを開いて
fbqなどの文字列を探す方法だと、同じ45本で11%しか見つかりません - 差の正体はGoogleタグマネージャー経由で読み込まれるタグです。ソースには出てきません
「ソースを見たけどタグが無かったので入っていない」という判断は、7倍近く外れることがあります。
何をどう測ったか
- 広告のリンク先45本を、ブラウザ(Chromium)で1本ずつ開く
- ページが外部に送った通信をすべて記録する
facebook.com/tr(Metaピクセル)、google-analytics.com/g/collect(GA4)など、各サービスの受信先に一致する通信があるかを数える- 同じ45本について、HTMLのソースを文字列検索する方法でも数え、結果を突き合わせる
ページを開いて6秒待ってから記録を締めています。 読み込み直後には飛ばないタグもあるためです。この記事の対象ページは、広告のリンク先ページは何でできているかで使ったものと同じ45本です。
実測の結果
数えたのは8種類です。土台になるもの(GA4・タグマネージャー・Metaピクセル)は店舗・クリニック型のほうが高く、LINEとTikTokだけは逆でした。
店舗・クリニックのページはGA4が16本すべてに入っていました。広告を出す段階まで来ている事業者は、計測の土台は用意できているということです。
一方で、タグが1つも観測できなかったページが5本ありました。そのうち4本は、読ませて次のページへ送る記事型のページです。この型は最終的な申し込みを別のページで受けるので、手前のページには計測を置かない設計もありえます。
Meta広告のリンク先なのに、TikTokのピクセルが3割のページに入っていました。同じページを複数の媒体で使い回しているということです。5種類以上のタグが入っているページは45本中23本ありました。
ソースを見る方法では分からない
同じ45本を2つの方法で調べたら、結果がまるで違いました。ここを間違えたまま「入っていない」と判断すると、二重計測に進みます。
理由は単純です。Googleタグマネージャーを使っている場合、個々のタグはソースに書かれていません。ソースに書かれているのはタグマネージャーの読み込みコードだけで、その中身は後から読み込まれます。今回の45本のうち76%がタグマネージャーを使っていました。
自分のページで確認する手順
道具を入れずに、ブラウザだけで確認できます。
- 自社のページをChromeで開く
F12キー(または右クリック →「検証」)で開発者ツールを開く- Network(ネットワーク)タブを選ぶ
- その状態でページを再読み込みする(
Ctrl+R) - 上部のフィルタ欄に
tr?id=と入力する → 行が出ればMetaピクセルは動いています - フィルタを
collectに変えて再読み込み → 行が出ればGA4は動いています
タグマネージャーを使っている場合は、Googleタグマネージャーのプレビューモードでも確認できます。Googleはこの機能について「現在のドラフトコンテナが設定されているかのようにコンテナコードが実装されているサイトを参照できるため、コンテナ設定が公開される前にテストできます」と説明しており、どのタグがどの順序で配信されたかを見られます(コンテナのプレビューとデバッグ)。
Meta側では、イベントマネージャの「イベントのテスト」ツールで、自分のブラウザ操作がイベントとして届いているかを確認できます。
入っていなかったときにやること
確認して「動いていない」と分かったら、次は誰に頼むかです。ページの作り方によって、頼む相手が変わります。
| ページの作り | 入れ方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| WordPressなど自社で更新できる | タグマネージャーを1つ入れて、以後はその中で足す | プラグインで入れると、乗り換え時に消えます |
| 制作会社に作ってもらった | 制作会社にタグマネージャーの設置を依頼 | 管理権限は自社のアカウントで持つこと |
| サービスの提供する固定ページ | 管理画面に貼り付け欄があるか確認 | 欄が無ければ、計測できる作りに変えるところから |
上から順に、自社でできる範囲が広くなります
どの場合でも、入れるのはタグマネージャー1つだけにしてください。媒体ごとのタグを直接ページに書くと、増やすたびに制作会社への依頼が発生します。タグマネージャーが入っていれば、以後の追加は管理画面だけで済みます。
二重に入っているときは、件数で気づく
チェック項目に挙げた「同じタグが二重に入っていない」は、通信を見るより数字の異常で気づくほうが早いです。
- コンバージョン数が実際の問い合わせの倍前後になっている — 同じイベントが2回送られています
- GA4の直帰率が不自然に低い — 1回の訪問で2回計測され、続きがあったように見えています
- 同じ受信先への通信が、1回の読み込みで2行出る — この記事の手順で見えます
原因の多くは、タグマネージャーで入れた後に、ページのソースにも直接書かれたままという形です。片方を消せば直りますが、どちらを消したかを記録しておいてください。両方消してしまい、計測が止まったまま気づかない状態が起こります。
数え方がずれているときは、まず送信のクリックと受付が完了した画面のどちらを数えているかを見てください。前者を数えていると、送信できなかった人まで件数に入ります。
タグは増やすほど良いわけではない
45本のうち23本には5種類以上のタグが入っていました。8種類のページも3本あります。
タグが増えると、読み込む外部ファイルが増えてページが重くなります。使っていない媒体のタグは外してください。逆に、いま入っているピクセルの精度を上げたい場合は、以前試した広告媒体のタグが残っているケースは珍しくありません。判断は簡単で、今その媒体に出稿していないなら不要です。
どれだけ重くなるかは、タグを止めた状態と比べれば分かります。自社サイトで測った数字はサイトが遅いとき、どこから直すか。
- ページを開いたときに、Metaピクセルとアナリティクスが動いている(通信で確認した)
- 申し込み・電話・予約のタイミングでイベントが飛んでいる(実際に操作して確認した)
- 同じタグが二重に入っていない(タグマネージャーとソース直書きの両方に入れていないか)
- 今出稿していない媒体のタグが残っていない
- タグマネージャーの管理権限が自社にある
今日やること
自社のページで、上の手順の1〜6を実行してください。5分で終わります。行が出てくれば動いています。
出てこなかった場合も、タグマネージャー経由の可能性があるので、そこで「入っていない」と決めないでください。フィルタを gtm.js に変えて再読み込みし、行が出るならタグマネージャーは動いています。あとはその中身を管理画面で見ます。
なお、この確認作業でも自分のアクセスは数字に乗ります。確認が終わったら、自社と制作会社の分を除外する設定を入れてください。





