結論

紹介が増えないとき、直すのは頼み方ではなく、紹介されたあとです。

案内した相手、次に連絡する日、どこから相談が来たか。この3つが担当者の頭の中にあるうちは、紹介は続きません。 担当が変われば消え、忙しい月には抜けます。

先に作るのは営業トークではなく台帳です。列はあとで書きますが、決定的なのは「次に連絡する日」の1列だけ。紹介は、記録がある会社にだけ積み上がります。

対象は、他社や他の事業所からの紹介で仕事が来る商売です。たとえば ①ケアマネジャーから利用者を回してもらう訪問介護 ②不動産会社から工事を回してもらう工務店 ③税理士から相談を回してもらう社労士。一般のお客さんに口コミを頼む話は、ルールも設計も別なのでここでは扱いません。

紹介が止まる3か所

こんな状態になっていませんか。

  • 先月渡した資料を、同じ事業所にもう一度持って行った
  • 「また連絡します」で終わって、いつ連絡するかは決めていない
  • 相談の電話が来ても、どこの紹介で来たかは聞いていない

当てはまるなら、「営業していない」のではなく営業したあとが残っていない状態です。訪問介護の事業所を支援したときも、営業を止めていたわけではなく、ここで止まっていました。止まる場所は3つあります。

「紹介営業が止まるのは3か所ある!」という見出しの図。1、誰に案内したかが分からない(二重に案内する/案内し忘れる)。2、いつ追いかけるかが決まっていない(忘れられて終わる)。3、どこから相談が来たかが分からない(これがいちばん効く)。3だけ赤く強調。下に「3つめが分からないと、力の入れ先を決められない!」として、分からないと20か所に均等に力を使ってしまう/分かると成果の出ている所に集中できる、の対比。
3つめが抜けると、努力の向け先が決められなくなります

1. 誰に案内したか、が分からない

一度案内した相手にもう一度同じ説明をする。案内していない相手を、案内したつもりになる。どちらも起きます。

紹介元は複数の会社と付き合っています。こちらが覚えていないことは、相手も覚えていません。

2. いつ追いかけるか、が決まっていない

紹介は初回で決まりません。相手に「今ちょうど困っている案件」があるかどうかは、こちらの都合と関係なく決まります。

だから、忘れられない仕組みのほうが、うまい説明より効きます。

3. どこから相談が来たか、が分からない

これがいちばん効きます。相談が来た記録はあっても、どの紹介元から来たかが結び付いていないことがよくあります。

先に作るのは台帳

始まりは表です。必要な列が入っていれば、最初は表計算ソフトで足ります。 CRM(顧客管理の道具)は、回り始めてから考えます。

台帳に持たせる列

何のために
紹介元の名称どこから来たかを結び付ける
担当者名相手も人が変わる
初回に案内した日二重に案内しない
渡した資料次に何を持っていくかが決まる
次に連絡する日これが無いと追いかけが消える
相談が来た日紹介元ごとの成果になる
相談の内容何を期待されているかが分かる
成約したか相談の質を見る

紹介の台帳に持たせる列

「次に連絡する日」が入っているかどうかが分かれ目です。 これが無い表は、記録であって仕組みではありません。日付が入っていれば、その日に見返すだけで追いかけが続きます。

月に一度、紹介元ごとに数える

台帳ができたら、見る数字は1つです。紹介元ごとの相談件数。

  1. 台帳を紹介元ごとに集計する
  2. 相談が来ている紹介元と、来ていない紹介元を分ける
  3. 来ている先には、報告と次の案内を厚くする
  4. 来ていない先は、案内の内容が合っているかを見直す
  5. 「次に連絡する日」が空の行を埋める

紹介営業では、外に出す数字より中で見る数字のほうが役に立ちます。紹介元ごとの相談件数は、台帳さえあれば自社で数えられます。始める前に「何を、どの単位で数えるか」を決めておいてください。 あとから決めると、都合のよい期間を選べてしまいます。事例の数字の読み方は店舗集客の事例7件を並べて分かったこと

紹介元に渡すもの

紹介は、相手にとって手間です。しかも、紹介した相手が良くなければ相手の信用が減ります

だから、増やす方向は2つしかありません。

手間を減らす不安を減らす
やること窓口を1つにする・様式を用意する受けられない条件を先に出す
相手の判断迷わず回せる外れが少ないと分かる
効き方すぐ効くじわじわ効く

紹介を増やす2つの方向

1枚に入れるもの

回数を増やすより、1枚で分かることが効きます。

紹介元に渡す1枚に入れるもの
  • どこの、何をする事業所か(1行で)
  • 受けられる範囲(対応地域・曜日・時間・空き状況)
  • 受けられない条件(これが無いと相手が困る)
  • 連絡先と、担当者の名前
  • 直近で受けた相談の種類(個人が特定されない形で)

「受けられない条件」を書くのが要点です。 紹介元がいちばん困るのは、紹介したあとに断られることです。断られると、次から声がかかりません。先に線を書いておくほうが、結果的に紹介は増えます。

渡す手段は、相手が実際に見る場所で決めます。ケアマネジャーの事業所なら、日中は外に出ていて、机に戻ったときに紙を見ます。メールは埋もれ、電話はつかまりません。だからFAXが今も効きます。手段の新しさではなく、相手の1日の動き方で決まります。

受けたら、必ず報告する

抜けやすいのがここです。紹介したあとどうなったかが返ってこないと、紹介元は次を回しにくくなります。 受けた日のうちに、短くていいので返してください。

「対応できる範囲」を毎回書くのは、紹介元の側で外れを出さないためです。報告の文面が、次の紹介の資料を兼ねます。

出す前の確認

紹介営業を仕組みにする前に
  • 台帳に「次に連絡する日」の列がある
  • 相談が来たとき、どの紹介元から来たかを結び付けて記録できる
  • 紹介元に渡す1枚に、受けられない条件が書いてある
  • 窓口が1つに決まっている
  • 紹介を受けたあと、紹介元に報告する文面が決まっている
  • 台帳の置き場所と、見られる人の範囲を決めた
  • 月に一度、紹介元ごとに集計する日を決めた

今日やること

紹介元の一覧を書き出して、それぞれの行に「次に連絡する日」を入れる。 空欄の多さが、そのまま抜けている量です。道具はあとでいい。表計算ソフトの1枚で始めてください。