結論

当社(アドキタ)が支援した7件を並べると、業種が違っても最初にやっていることはほぼ同じでした。整骨院も和菓子店も製麺所も、入口は3つに収まります。

  • 言葉をそろえる — 広告・ページ・紙で、同じことを言う
  • 最初の一歩を軽くする — 買う前・書く前のハードルを下げる
  • 来たあとの連絡先を持つ — 一度きりで終わらせない

変わるのは順番です。どこが詰まっているかで、どれから手を付けるかが決まります。

この記事で扱う範囲

1社ごとの詳しい経緯はアドキタの支援事例にあります。この記事はそちらを繰り返さず、7件を横断して共通点だけを取り出します。

自店がどこで詰まっているかは、業種で見分けられます。予約が埋まらないのか、そもそも見つかっていないのか、見つかっても選ばれていないのか。 この記事に載せている写真は、支援先から掲載の許可を得て当社が撮影・公開しているものです。 素材写真やAI生成の画像は使っていません(AI画像を集客に使う線引き)。

共通していた3つの打ち手

7件に共通していたのは、次の3つです。順番は業種で変わりますが、項目そのものは変わりません。

業種が違っても入口は3つ、変わるのは順番だけ。1つめは言葉をそろえる。伝える内容をバラバラにしない。2つめは最初の一歩を軽くする。相手に求める行動を1段階小さくする。3つめは来たあとの連絡先を持つ。一度きりで終わらせない。どこが詰まっているかで、どれから手を付けるかが決まる。
変わるのは順番だけです。どこが詰まっているかで、どれから手を付けるかが決まります

7件の入口を並べると、順番は違っても中身は3つに収まりました。1つずつ見ていきます。

1. 言葉をそろえる

複数の事例で最初にやっていたのが、広告とページとチラシで同じことを言う、でした。

無形サービスの事例(Bottino株式会社)では、サービスの説明そのものを「マニュアル作成」から「社長のノウハウを資産化する」に置き換え、そのうえで広告・ページ・チラシのメッセージを1つにそろえています。製麺所の事例(新吉製麺所)でも、ページの写真と広告のコピーを同じ方向に統一しています。

そろっていると、クリックしたあとがそのまま進みます。 広告で言ったことがページの最初にあれば、読み手は判断をやり直さずに済みます。

広告文とリンク先をどう合わせるかは、実測した広告のリンク先ページは何でできているか

2. 最初の一歩を軽くする

2つめは、いきなり本命を出さないでした。

新吉製麺所のギフトセットの写真。化粧箱に、煮ぼうとうの箱と、シルクざるうどん・シルクうどん・シルクほうとう・シルクそうめん・紅白うどん・そば・シルクひやむぎ・ブロッコリーうどんの8種の麺が並んでいる。
これが元の入口でした。贈答用としては強いが、初めての人が試す入口としては重い(写真:[アドキタ 支援事例](https://socialmediamarketing.jp/cases/shinyoshi/))

製麺所の事例では、4,000〜5,000円のギフトセットしか入口がなかったところに、お試しセットを新しく作っています。整骨院の事例では、口コミの依頼文を「口コミをお願いします」ではなく**「アンケートにご協力ください」という頼み方**に置き換え、QRコードとLINEで投稿までの手数を減らしています。

やっていることは同じです。相手に求める行動を1段階小さくする。

3. 来たあとの連絡先を持つ

3つめは、一度きりで終わらせないでした。

製麺所の事例では、購入後にLINEとメルマガで開発の話や食べ方を送り、次につないでいます。整骨院の事例でもLINEを導線に組み込んでいます。

新規を集めるより、すでに来た人にもう一度来てもらうほうが安く済みます。ただし毎回売り込むと開かれなくなります。配信の設計はLINE配信で直接売らない設計、再来店の考え方は満足度が高いのに客が増えない理由

事例の数字は、条件まで見る

ここは事例を読むときの話です。数字が書いてあることと、その数字が比較できることは別です。

7件のうち、測定の条件まで公開されているのは1件でした。整体院 RoooPの事例には、対象キーワード(「東三国 整体」)、期間(2週間)、指標(マップ順位・表示回数)が書かれています。この形なら、自店で同じ条件を作って比べられます。

確認すること書いていないと何が起きるか
いつからいつまでか繁忙期と閑散期を比べているかもしれない
何と比べたか前年同期か、施策の前後かで意味が変わる
その指標の定義「売上」が受注ベースか入金ベースかで数字が動く
どのキーワード・どの地点か順位は測る場所で変わる。検索した人の現在地で結果が違う

事例の数字を見るときに確認すること

業種別に見るとどうなるか

7件を並べます。自店に近い業種があれば、そこから読んでください。

業種最初に手を付けたところ
整体院口コミの依頼文と、投稿までの導線(RoooP
製麺所(EC)入口商品の新設と、ページ・広告の統一(新吉製麺所 / 手順はこちら
和菓子店(EC)ECの導線と口コミ(浪花堂 / 手順はこちら
クリニック広告とページの作り直し(サクラクリニック / 手順はこちら
無形サービス何を売っているかの言い換え(Bottino / 手順はこちら
訪問介護営業の導線と、紹介の管理(はれたケアステーション / 手順はこちら
整骨院地域広告・紙・LINEの組み合わせ(すいたの整骨院 / 手順はこちら

7件の支援事例。詳しい経緯はそれぞれのページにあります

並べると、業種で分かれているのは「どこが詰まっていたか」であって、打ち手の種類ではありません。 ECは入口商品、店舗は口コミと導線、無形サービスは言葉。詰まる場所が違うだけです。

1件ずつの手順は、それぞれ別の記事にしています。ECで最初に何を変えるかはネットショップが売れない理由は入口商品、形のないサービスが価格で比べられてしまう話は無形商材が価格で比べられる理由、規制で差の付け方が塞がれている業種の話は自由診療の広告が価格勝負になる理由、他社からの紹介で仕事が来る商売は紹介が続かないのは、紹介したあとが見えていないから、整骨院のように広告の項目が法律で決まっている業種は整骨院のチラシに書けること、これからECを始める店は実店舗がネットショップを始めるときの順番

新吉製麺所の倉庫。学校給食用小麦粉と表示された紙袋が、パレットの上に天井近くまで積み上げられている。
どの事例にも、こういう現場があります。打ち手を選ぶ前に、何をどれだけ抱えている商売かを見ます(写真:[アドキタ 支援事例](https://socialmediamarketing.jp/cases/shinyoshi/))

自店はどれから手を付けるか

3つの打ち手のうち、どれから始めるかはいま何が起きていないかで決まります。手元の数字を見ずに答えられます。

いまの状態詰まっている場所最初にやること
そもそも問い合わせ・来店の数が少ない見つかっていない検索で出る状態を作る。広告より先に無料の面を埋める
見に来てはいるが、申し込みまで来ない言葉がそろっていない広告・ページ・紙で同じ言葉を使う
申し込みはあるが、最初の一歩で止まるハードルが高い入口商品・初回メニュー・見積もりだけの窓口を作る
一度は来るが、二度目が無い連絡先を持っていない来店時に連絡先を受け取る形にする

上から順に見て、最初に当てはまったものから始めます

2行目と3行目は混同されやすい形です。見に来ているのに申し込まれないのは、伝わっていない問題申し込もうとして止まるのは、重い問題。前者は書き換えで直り、後者は商品設計を変える必要があります。

どのくらいで判断するか

打ち手ごとに、結果が出るまでの長さは違う。言葉をそろえるは数週間で見え始め、先に見る数字は問い合わせ数が増え始めること。最初の一歩を軽くするは1〜2か月で、先に見る数字は初回の申し込み数が増え始めること。連絡先を持つは数か月以上で、先に見る数字は集まった件数が増え始めること(再来はその後)。連絡先を持つ施策は、始めた月には何も起きません。集める→溜める→届けて成果、の順で時間がかかるためです。効果が出る前にやめてしまわないよう、まだ使える段階にあるかを確認します。
同じ物差しで測ると、効いているものを途中でやめてしまいます

打ち手によって、結果が出るまでの長さが違います。同じ物差しで測ると、効いているものを途中でやめてしまいます。

打ち手見え始めるまで先に見る数字
言葉をそろえる数週間問い合わせ数、直帰の減り方
最初の一歩を軽くする1〜2か月初回の申し込み数
連絡先を持つ数か月以上集まった件数(再来はその後)

7件を通して、変化が見え始めるまでの目安

3行目は、始めた月には何も起きません。連絡先が溜まってからでないと使えないためです。効果が出ないと判断する前に、「まだ使える段階にあるか」を確認してください。

自店に移す前の確認項目

事例をそのまま真似しても合いません。自店の詰まっている場所を先に決めるための項目です。

事例を読んだあとで
  • 自分の店がどこで詰まっているかを、1つに絞れている
  • 広告・ページ・紙で言っていることがそろっている
  • 最初に求める行動が、相手にとって軽いものになっている
  • 一度来た人に、もう一度連絡できる手段がある
  • 参考にした事例の数字について、期間と比較対象を確認した
  • 自分で試すときの測り方を、始める前に決めた